自然素材の家づくりが人気の理由とは？メリット・デメリットを解説

近年、自然素材を使った家づくりが注目されています。化学物質をなるべく使わず、木や土、紙などの天然の材料を活かした家は、健康的で環境にもやさしいといわれています。本記事では、自然素材の家が人気の理由や、そのメリット・デメリットについて、できるだけわかりやすく解説します。

自然素材の家とは？

シラス壁（しらすかべ）とは、火山灰の一種である「シラス」を原料にした壁材です。シラスは九州地方などの火山地帯で採れる自然素材で、細かい粒子が特徴。これを塗り壁として使用することで、見た目の美しさだけでなく、優れた機能性を持つ壁材になります。

自然素材の家とは、木材や漆喰（しっくい）、珪藻土（けいそうど）、和紙など、人工的な化学物質を極力使わずに建てられた家のことを指します。これらの素材は昔から日本の家づくりに使われてきたもので、自然と調和しながら快適な住まいを実現します。

例えば、

木材：柱や床、天井などに使われ、調湿作用や木の香りによるリラックス効果がある。

漆喰：壁の仕上げ材として使われ、消臭・調湿効果がある。

珪藻土：湿気を吸収したり放出したりする性質があり、カビやダニの発生を抑える。

和紙：障子や壁紙に使われ、温かみのある風合いを演出する。

こうした自然素材をふんだんに使った家は、心地よさや健康への配慮が魅力となっています。

自然素材の家は、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドなどの化学物質が少なく、アレルギーや敏感肌の人にも優しい環境を提供します。特に小さな子どもや高齢者にとって、安心して暮らせる住まいとなるでしょう。

木材や珪藻土、漆喰などは湿気を吸収したり放出したりする性質を持っています。そのため、夏は湿気を抑えてカラッとした空間を作り、冬は乾燥を防ぐことで快適な室内環境を保ちます。

自然素材には独特の風合いがあり、木のぬくもりや土壁の質感が落ち着いた雰囲気を生み出します。視覚的にも触覚的にも心が和むため、ストレスが軽減されるというメリットもあります。

化学製品を多用した住宅は、製造時や廃棄時に環境負荷がかかりますが、自然素材の家は再利用や土に還る素材が多いため、環境への影響を抑えられます。

自然素材は一般的な建材に比べてコストがかかることがあります。例えば、無垢材（むくざい）のフローリングは、合板のフローリングよりも高価です。ただし、長持ちするため、長期的にはコストパフォーマンスが良いと考えられます。

自然素材は経年変化を楽しめる魅力がありますが、定期的な手入れが必要です。例えば、無垢材の床は傷がつきやすいため、こまめな掃除やワックスがけが大切になります。また、漆喰や珪藻土の壁も、汚れがついた場合には補修が必要になることがあります。

自然素材の家は、工業製品のように規格化されたものではなく、一つひとつ手作業で仕上げることが多いため、職人の技術が重要になります。そのため、施工に時間がかかることや、経験豊富な工務店や職人を見つける必要がある点はデメリットといえます。

自然素材の家は、次のような人に向いています。

健康的な暮らしを求める人：化学物質の少ない家で、安心して暮らしたい人。

自然の風合いが好きな人：木の香りや土壁の質感が好きな人。

環境に配慮したい人：エコな暮らしを大切にしたい人。

長く住める家を求める人：経年変化を楽しみながら、丈夫な家を建てたい人。

自然素材の家は、健康的で快適な住環境を作るだけでなく、環境にもやさしいというメリットがあります。一方で、コストやメンテナンスの手間がかかることもあるため、自分のライフスタイルに合うかどうかを考えることが大切です。

家は長く住む場所だからこそ、素材にもこだわって選びたいもの。もし自然素材の家に興味があるなら、信頼できる工務店や専門家に相談し、自分にぴったりの家づくりを目指してみてはいかがでしょうか。