施工事例
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清水焼の郷会館
京都府京都市
2013年10月、京都にある「京焼・清水焼工芸館」が「清水焼の郷会館」と名称を変え移転しました。その際、会館の外壁にスーパー白洲そとん壁Wをご採用いただいております。
清水焼の郷会館がある清水焼の郷「清水焼団地」は、東山山麓東側の丘陵地に位置し、京焼・清水焼の卸問屋、窯元、作家、陶磁器原材料屋、指物師、人形師、碍子など「やきもの」に関する業社が軒を連ねる町です。
外装:スーパー白洲そとん壁W(W-121・かき落とし仕上げ)
もともと清水焼は清水寺近くの東山区五条坂周辺で製造されていましたが、市街地化、観光地化が進むことで登り窯の煤煙について懸念されたそうです。都市部に形成された産地ならではの問題を解決すべく、新天地を求め有志の方々が集まり、住居と工房を併せた工業団地として清水焼団地が誕生しました。
入り口に続くアプローチでは立派な梁とスーパー白洲そとん壁Wの見事なコラボレーション
建物の存在感をより一層ひき立てています
清水焼団地協同組合の山尾事務局長にお話をお伺いしたところ、「そとん壁を外装に採用することで、清水焼団地のシンボルでもある当館に相応しい重厚感がでていて大変気に入っています。実はシラス内装材に調湿や消臭機能があることを知ったのは完成した後だったので、内装にも採用したかったですね。」とおっしゃっていました。
夜はそとん壁に照明があたって昼間とは別の表情がみられます
また、清水焼の郷会館を設計された atelier SWITCH一級建築士事務所 代表の完山 剛 氏に設計のコンセプトについてお聞きしました。
設計コンセプト
清水焼の郷会館は清水焼団地の創立50周年を機に「京都のやきものの伝統、文化を守りながら新しいものに挑戦」をテーマに設立当時の組合事務所の敷地に新設する計画で、京焼・清水焼の美をこれからの50年に伝えていくことを第一に考えました。
華やかなやきものや工芸品を引き立たせるため、単純な空間構成と構造体である「木」を現しとした意匠で、できるだけシンプルに設計を行いました。敷地は、清水焼団地のちょうど中心に当たる「団地のヘソ」ともよばれる場所で、手前には公園、背景には緑豊かな山々が広がるとても静かな環境にあります。建物の存在感を抑えることで、背景の山々と公園と一体となるよう意図しました。
建物はできるだけボリュームを抑えた地上2階建てで、1階に展示スペースや事務所及び、工房を配置し、2階に会議スペースと茶室を設けました。展示ホールは公園への視線の抜けを確保した開放的な空間としました。柱ピッチをサッシの対応可能寸法から経済的な2,730mmを採用し、サッシ枠を隠し柱自体を際立たせる納まりとすることで、外部の豊かな自然を引き込むことができました。
仕上げはできるだけ自然素材を使用し、木部と柔らかい風合いのそとん壁で外部に落ち着きを与え、シンプルな土間にエントランスの丸柱(桧磨丸太、300φ)に代表される「木」の存在感が内部空間に力強さを与えています。清水焼の郷会館は京焼・清水焼のアンテナショップとしての役割もさることながら、組合の方たちの憩いの場としての空間でもあります。これまでの50年を築いてきた世代と、これからの50年を築いていく次世代との「伝えていく場」となる建築を目指しました。
設計
atelier SWITCH 一級建築士事務所
代表 完山剛
〒535-0011 大阪市旭区今市1-4-3
TEL:06-6956-1023
HP:http://www.atelier-switch.jp/施工
株式会社デザオ建設〒607-8357 京都市山科区西野櫃川町50-1
TEL:075-594-0666
HP:http://dezao.com/
館内には陶芸作家さんたちの展示スペースを備え、清水焼団地協同組合では手びねり体験または絵付け体験も定期的に行われているとのこと。清水焼の美に触れることができる「清水焼の郷会館」に訪れてみてはいかがでしょうか。
清水焼の郷会館
〒607-8322
京都市山科区川田清水焼団地町10-2
TEL 075-581-6188
開館時間 9:00~17:00
休館日 お盆、年末年始(詳しくはお問い合わせください)
アクセス方法は交通・アクセスのページをご覧下さい